導入事例
かかえていた課題
スクリレ(ユニット連絡)で
解決!
これまで、メールシステムで不審者情報や児童生徒園児の安全にかかわる緊急情報などを配信しており、将来的にアプリを活用したより便利な連絡手段の導入を検討していた矢先、コロナ禍が始まりました。一斉休校や感染拡大による学級閉鎖が相次ぎ、教育委員会から直接保護者宛てに情報を配信するなど、メール連絡が学校運営に必要不可欠な情報伝達手段となりました。また、児童生徒もタブレットを家庭に持ち帰ってオンライン授業に活用し始めるなど教育現場のデジタル化が大きく進展しました。
しかし一方で、健康カードや欠席連絡は、従来の紙や電話での運用が続いていました。そんな中、スクリレが一部の学校やPTAで導入が広がり、保護者からの要望を受けて令和5年4月からスクリレを全区立小・中学校、幼稚園、10月から全学童、放課後子ども教室に導入しました。
スクリレの活用により、学校と保護者間の連絡は飛躍的に向上しましたが、教育委員会から直接保護者への連絡は、従来のメール配信で行っており、保護者に不便をかけていました。そこで、サービス開発元である理想科学に「教育委員会から学校のスクリレを介して保護者に直接配信するシステム開発」を要望し、いくつかのテストを踏まえて令和6年4月より「ユニット連絡」を導入しました。
荒川区では「荒川区小・中学校働き方改革プラン」を策定し、そのひとつに配布物の精選があります。学校には区役所の様々な部署や団体からの配布物が多く、これらを区職員が学校ごとに仕分けし、児童生徒に配布する作業は先生が行い、それぞれの業務負担になっていました。配布対象の見直しや削減などの取り組みにより一定の効果はありましたが、根本的な負担軽減策が必要であると考えていました。そこで、「ユニット連絡」のお便り配信を活用し、教育委員会から直接保護者に配信することにしました。
区立小・中学校、幼稚園の全児童生徒園児は約13,000人です。この一人一人の配布物をデジタル化することで紙の使用量削減や印刷・運搬にかかるCO2の削減、さらに経費節減にもつながり、SDGsへの貢献は非常に大きなものとなっています。働き方改革においても、運搬・仕分け・配布など用務職員やクラス担任の負担軽減につながります。教育DXが叫ばれている中、土台となる教育環境のデジタル化が進まない現状で、「ユニット連絡」がもたらした効果は非常に大きく、校長や副校長、教育委員会、区役所職員からも大変喜ばれています。
保護者からも「子どもたちのランドセルが軽くなり、配布物を紛失することなく情報が確実に届いて便利だ」と好評をいただいています。この「ユニット連絡」を開始するときにスピード感をもって進められたのが非常に良かったです。
年間の配布物類の精選を行い、(1)区の主催・後援のイベント情報、(2)区施設からのお知らせ(図書館だより、ふれあい館だよりなど)、(3)安心安全に関する情報の3つを、毎週木曜日17時に原稿を締めきり、翌金曜日10時に保護者へ一斉に配信しています。夏休み前など配布物が多い時には、一度に20件ものチラシデータを配信することもあり、保護者に読んでもらえるよう、目を引く見出しやチラシデザインにするなどの工夫を凝らしています。
また、直接子どもたちにも見てほしいという要望があったので、配信したチラシを面付けしてまとめたポスターを校内に掲示し、チラシを入れるパンフレット台を設置しました。この取り組みの結果、スポーツ系イベントやボランティア活動の参加者が増えました。
不審者情報や緊急連絡もスクリレのアプリ配信に変わりました。これらの情報は、今何が起きているのかを一刻も早く知らせる必要があるため、スクリレの「ユニット連絡」を利用することで、保護者への情報伝達のスピードや到達率、既読率が向上しており、とても満足しています。
現時点では警視庁からメールで受け取った情報を教育委員会の職員が手動で転載して配信していますが、今後はより迅速かつ効率的に、またヒューマンエラーを回避するため、RPAを活用した自動配信に取り組みたいと考えています。